ソリューション・サービス

画像鮮明化「Haze Reduction」

概要

Haze Reduction(ヘイズ リダクション)は画像鮮明処理によって、画像の中の霞や霧で隠れた部分の視認性を向上させ、文字や数字を読みやすくします。

監視カメラや監視システムを構成する映像機器へ、 IP製品としてハードウェアに実装して提供します。

一般のビデオカメラへ搭載することで、豊かな色彩映像を身近までお届けすることも可能になります。

特徴

1.ハードウェア実装による高速動画処理

画像鮮明化アルゴリズムをハードウェアに実装し、フルハイビジョンサイズはもとより、それ以上のビッグサイズの入力画像もリアルタイムで鮮明化します。
画像鮮明化処理が可能なサイズはラインバッファの実装サイズおよびハードウェアの動作速度に依存します。
例えばFPGA実装ではフルハイビジョンサイズでのフルフレームレートでの映像を表示できます。

映像機器のハードウェアに実装することで、センサーからの取込み画像をより早い段階で鮮明化します。これにより、高画質を保った状態での画像鮮明化が可能です。また、リアルタイム画像処理により高画質状態の動画として再生可能です。

2.ピクセル単位に除去処理の強度調整

画像処理はピクセル単位に行うため、画像の一部に霞や霧がかかった場合でも効果的な処理ができます。
強く霞や霧がかかっている部分には除去処理を強く働かせ、かかっていない部分については除去処理をあまり機能させません。その結果、均一な再現性となります。

左側の処理前の画像を見ると、手前の枝は霞が薄く除去処理が弱くても充分です。
右側の処理後の画像で確認すると、手前の枝に除去処理がほとんど行われていないことがわかります。
反対に近くの草と奥の建物に対しては強い除去処理が行われ、霞のない状態が再現されます。

特徴

3.霞の濃さを推定(近傍処理)

霞や霧の範囲を適切なサイズのピクセルに設定して、その近傍を計測し、更に処理強度が極端に段階的にならないようにスムージングした後に処理強度を決定します。

4.外乱に強い

ピクセルの近傍処理での強度推定と除去処理のピクセル単位の処理をハードウェア実装することで、動画へのリアルタイムの画像処理を実現します。これにより、風による霞の流れや、撮影対象物の移動などの外乱を含む動きの速い動画でも安定した映像となります。

5.処理パラメータの即時変更

 除去処理のパラメータはハードウェアで処理される変更が直ちに反映されます。映像機器への処理パラメータの実装ではシステム構成に従い設定をプリセットしたり、入力画像の状態を反映させて外部プロセッサにより設定値を変えます。

処理構成

Haze Reductionは「ダイナミック前処理」、「霞除去処理」、「トーンマッピング処理」の3つの機能ブロックから構成されます。

ハードウェアに実装する場合、回路規模が重要になりますが、アプリケーションとしての処理結果は機能構成とパラメーター設定が重要になります。IPの3つのブロックは個々にパラメーターを設定でき、機能ブロックの組み合わせによりアプリケーションが必要とする処理結果を得ながら回路規模を最適化する事が可能です。
例えば暗部が少ない画像であればトーンマッピングを省略できます。
     ※特許出願中

処理構成

処理構成の詳細

1.ダイナミック前処理

画像全体の輝度を整えることで最初の画像の鮮明化を行います。 処理パラメーターは処理単位ごとに変更できます。また、水中画像に特化した処理も選択できます。
これらのパラメーターはIPの外部より設定します。入力画像の基本構成ではラインバッファに保存します。
※構成オプションでフレームバッファの使用も可能。

2.画像鮮明化、霞除去処理

step1:霞の濃さを推定
霞や霧の影響を除去するために、霞の濃さをピクセル毎に推定します。

step2:スムージング
推定情報では境界で段階差が大きい場合があるため、霞の濃さの変化を滑らかに、より自然になるよう処理します。

step3:除去処理
スムージングの霞の濃さ情報を使用し、ピクセル毎に除去処理をします。

3.トーンマッピング

必要に応じて暗みがかった画像を改善します。
※オプションとして動作させます。デフォルトではOFFです。

処理構成の詳細

画像鮮明化の比較例


上部が元画像、下部が画像鮮明化処理 

実装例

Haze Reductionをハードウェアの回路に実装し、FPGAの評価ボード上で動作しています。

▸FPGAへの実装例

資料ダウンロード

Haze Reductionカタログdownload_link1_url

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デバイスソリューション事業本部 営業統括部
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