治工具管理システム
概要
製造を行う上で使用する様々な治具、工具、金型などを管理するシステムです。
治工具のライフサイクル全般(購入~使用~メンテナンス~廃棄)を一元的に管理し、生産実績とリンクさせて管理することにより以下のような問題点解決を図ることができます。
・大量の治具、工具を紙の台帳で在庫管理、所在管理を行っているため、煩雑化している。
・切削工具( 刃具 )などの、使用回数に応じた再研磨の実施が適切に管理できない。
・寿命管理も適切にできない。
・治工具から起因する品質問題に対し、原因を特定しにくい、また、迅速に対処できない。
本システムでは、個々の治工具を個体認識し、台帳管理を行います。
個体認識ではRFIDの活用はもちろんのこと、利用環境や形状などによってRFIDを使用できない場合は、レーザーマーカを利用した2次元バーコードを利用することにより管理できます。曲面印字がされても画像認識技術によって、正確に読み込むことができます。
次に、生産実績(製品)と使用設備実績、使用治工具を関連付けて管理します。
上記の管理を行うことにより、以下のことを実現できます。
生産情報より、使用治工具のトレーサビリティを実現し、品質を管理できます。
使用実績を累積して管理することにより、治工具の適切なメンテナンスの実施および廃棄の寿命管理を可能とします。
利用状況をキチンと管理することにより、適切な治工具の在庫を保持できるようになり、コスト削減を図ることができます。
製品や設備へのダメージを回避することにより、安全管理の向上も実現できます。
システム全体イメージ
主な機能
1) 受入機能
治工具の発注受入、メンテナンス受入および検査を行います。新規受入の場合には、レーザーマーカと連携させて2次元バーコードを治工具へ印刷し、台帳へ登録されます。
2) 装着機能
治工具の生産( 機械設備 )への払出し、取付け、取外しおよび取外し後の倉入れ、メンテナンス依頼、廃棄を管理します。
3) 発注機能
新規発注およびメンテナンスの外部発注を行います。
4) 在庫管理機能
治工具の台帳管理として在庫状態および所在管理を行います。
5) 実績管理機能
各種実績情報が検索できます。
6) 治工具履歴追跡機能
トレーサビリティ機能です。
7) 管理業務
マスタ、データ削除等の管理機能です。
特長
1) 治工具の個体認識管理
個体別認識として各種媒体による管理を可能とします。(カスタマイズ対応)
・ダイレクトマーキング(対象物に対して直接IDを付与する)
レーザーマーカ:極小マーキングが可能
ドットピンマーキング:レーザーと異なり熱に依存しない加工
インクジェットプリンタ 等
・RFID(電子タグ)
・ラベル
・紙媒体
2) 治工具の在庫状況の正確な管理
各アクセスポイントでの実績入力により、リアルタイムに各種在庫状況および所在を把握できます。
3) 生産される製品の不具合の正確な把握
製品と使用される治工具を関連付けることにより、不具合発生時のロットトレースが可能となります。(影響範囲の特定)
4) 製品と製造工程情報のリンクにより、不具合原因と傾向を分析して対応
製品と製造工程情報の実績情報により、不具合原因や傾向を明確にし、製品不具合の減少を実現します。
5) 専用クライアントとバーコードリーダ使用による入力の簡易化
各工程における実績収集時、バーコードリーダの使用によりキーボードレス入力を簡易化します。
6) 各種EUCデータを分析用データとして活用できます。
導入効果
1) 品質管理
治工具使用実績や製造工程実績の把握により、不具合原因のロットトレースが可能。製品不具合の削減により、製品の品質向上を図れます。
2) コスト削減
在庫情報、使用履歴の管理による適正な発注が可能となり、原価費用を削減できます。
3) 安全管理
治工具使用実績や製造工程実績の把握により、治工具の寿命管理が行えるので、製品や設備へのダメージを未然に回避できます。